「進歩と改革」No.673号   --2008年1月号--

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■主張 2008年を政治転換の年に

2008年を迎えて              社民党党首 福島みずほ

08年、いかなる本質が現象し、どう闘うか         山崎 一三

■鎌倉孝夫の経済診断 2008年経済展望―人間再生の年にしよう 

◆マンガ またぞろダーティーコンビウン人組        森本 清彦

「科学的発展観」とは何か                 曽我 祐次
―中国共産党大会の胡錦濤路線

◆マンガ 「初音ミク」事件                鎌倉 圭悟

護憲全国大会と改憲の行方                 若林 一平

公契約法・条例制定運動の課題と方向            佐藤 正明

社民党の政策のレパートリーを広げよう(上)        鎌田 明彦

◆映画紹介 「イラク・狼の谷」

●学校日記                          黄

●スポーツ時評 ダルビッシュの一言            中森 稔博

【編集後記】

新年号をお届けします。
 まずは福島社民党首のインタビュー。憤死しそうになるからあまり怒りたくないが、とおっしゃりつつ、憤懣やる方ない大連立のうごきを痛烈に批判、安倍内閣が17回もの強行採決で成立させた悪法の数々の作動を許さず、総選挙では単に与野党の逆転ではなく、社民党の伸張を今度こそかちとるという強い決意を表明。
 続いて、山崎一三氏の「08年、いかなる本質が現象し、どう闘うか」。今日の「激動の政治」について、細川連立政権の成立をもって始まる第一幕の総括から、参議院の与野党逆転による第二幕を特徴づけ、大連立の本質を明らかにします。そして来るべく再編のうごきに備え、社会民主主義勢力の総結集をもって対抗しようとします。

鎌倉孝夫氏の「経済診断」も「2008年経済展望―人間再生の年にしよう」で、ますます深刻化するサブプライムローン問題の本質を世界的な究極の擬制経済化ととらえ、日本経済をうごかす大企業のなりふりかまわぬ利潤追求が人間性破壊をもたらしていることを明らかにし、人間性回復をめざして、勤労市民の連帯再生を説きます。
 曽我祐次氏の「科学的発展観とは何か」は副題通り、中国共産党第17期大会について、今年3回にわたり訪中された成果に基いて書かれています。中共がめざす「和諧社会」については特に中共党学校を訪問して交流、その日の午前中には胡総書記が党学校で「第17期党大会」について演説したとのことで、中国共産党は社会主義を放棄せず、社会民主主義の社会主義インターの大会にもオブザーバーを送る幅の広さの中で追求しているとのこと。

佐藤正明氏の「公契約法・条例制定運動の課題と方向」は、本誌03年10月号で佐藤氏が書かれた「公共工事と建設労働者」に次ぐもので、本誌12月号塩見幸治氏「公契約をつくろう」にも応えるもの。先進国? でありながらILO条約94号を批准しようとしない日本政府の頑迷な後進性に対する批判でもあります。系統的に書いていただいていますから運動に役立てて下さい。
 鎌田明彦氏の「社民党の政策のレパートリーを広げよう」は保証人制度の見直し、デポジット制度の拡充など、生活の身近のところで、だれでもが気づきそうでありながら見逃していることに目をつけたユニークな提起。他党にさらわれないうちに社民党に採択されたらいかが、と思います。次号にも続きます。
 「学校日記」は生徒たちに接する先生の思い出を随想風に連ねたもの、ほのぼのと温かいタッチで、心も和みますからお読み下さい。

今月もまた原稿が大幅に足りないと思って、補充の手を打ったら、またも大幅にあふれてしまいました。比較的ニュース性を問わないものを失礼して次号にまわさせてもらいました。一体、何年この仕事をしているのだ。もう50年近く前になりますが、編集長に造反した報いに復帰した編集長の私の準備した割付から次々に見出しをとばされ、大組で大穴をあけられ、大量の穴うめ原稿を書かされた苦い記憶が効きすぎているのか。(松本)