【編集後記】
●今月の「主張」のテーマをどうするか、「補給活動支援特措法案」と、自衛隊の隠蔽体質とするか、考えましたが、国会の会期は11月10日、まだ会期延長も決まっていません。10月号で安倍改造内閣をとりあげたら、読者の手に届く前に安倍逃亡となってしまったことも考え、社民党の全国幹事長会議にしました。
トップの文章は沖縄高教組委員長・松田寛氏からいただいた「高校歴史教科書検定意見撤回のとりくみ」です。文科省の検定審議会をかくれ蓑とした、独善的な主観のおしつけのからくりとその誤りを詳しく論証されています。9・29県民大会の盛り上がりはメディアでも伝えられましたが、そのとりくみも紹介。教科書記述の回復だけではダメ、検定意見の撤回でなければとの主張は重要です(主張の内容は本文で)。全国の力でかちとらねばなりません。
●続いて野尻和夫氏の「格差社会の是正と連合第10回大会」。連合の抱える弱さをそのままにして、「非正規労働センター」を中心とする格差是正の方針が成功するのか、を問題にします。
その非正規労働者も結集するユニオンの集会を鳴海洽一郎氏がレポート。
そしてさらにユニオンの集会でも問題になった尼崎市の業務委託の問題から「公契約条例をつくろう」との尼崎市議・塩見幸治氏の提起。この3本の文章は内容的につながっています。
●愛知県の読者、伊藤善規さんから地球温暖化についてCO2主犯説はまちがいではないかとの意見が寄せられました。ちょうど「資本主義とエネルギー」を書いていただいている福留先生に、こういう意見がありますが、と申しあげ、伊藤さんにはよかったら文章にして下さいと言っていました。お二人の文章を同時に並べて比較させる意図はなかったのですが、結果的に二つ並んでしましました。一つの問題をいろんな角度から見るということは認識を豊富にさせてくれると思いますので、よかったのかなと思います。お読みください。
●本田さんの「84年日中青年交流継続活動に参加して」は、9月号の山内正紀氏の「和諧社会をめざす中国を訪問して」もふれている84年日中青年大交流の継続の活動、また11月号の米山昇氏の「まだまだ変わる中国」にも関連する日中交流の活動。日中交流にも様々な人間模様が織り合わされて、興味がつのるかと思います。
田中さんの「何が川瀬さんを死なせたか」について、11月号編集後記で、川瀬さんが「留置場で自殺?」と書きましたが、やはり衰弱死が正確のようです。おわびして訂正します。
●山中さんの「ありのままに伝える私の戦争体験」。ついに復員船に乗るところまで来ました。60年以上前のことですが、祖国に帰ることができる喜びが今も伝わってくるようです。復員船に乗る作業も厳しく、大変。船の中ではかつて威張っていた将校が小さくなって哀れを極め、ここでも戦争がもたらす人間悲劇の縮図が―― 。(松本)
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