【編集後記】
●10月号です。前号の予告通り、参議院選挙の結果分析と今後の展望です。結果の分析は本誌の定番となった衣笠哲生氏で、表題の通り、自民党の歴史的大敗の根本原因は小泉・安倍内閣の「構造」改革が招いたもの、小泉前首相は「自民党をぶっこわす」といいカッコしたのですから文句もないでしょう。
今後の展望は山崎一三氏の「結果と展望―次の局面は何か」。次の局面に予想されるキーマン小沢一郎は何を狙っているか、小沢流改憲もありうるという大胆な推論も。社民党への提起は民主党との共同と対抗。情勢と主体の状況を含めて、議論を深めていただきたいところです。
関連して安倍内閣の改造を「主張」でとりあげました。
●「鎌倉孝夫の〈経済診断〉」。今回はアメリカの住宅バブルの崩壊とサブプライム問題は何をもたらすか、日本と中国の株価の暴落との関連、日本経済はさらにアメリカ経済への従属を迫られていく、この構造から逃れる道は・・・・日本政治の激動の第二幕の背景でもあります。
福留久大先生の「エタノール旋風の波紋」は、副題が「資本主義とエネルギー」となっています。新たなエネルギー資源として注目を集めるエタノール。片や石油は価格高騰、埋蔵量にも限界がある。原発は地震国日本が依存できるエネルギー生産なのか。そして米国と並ぶエタノール生産国ブラジルはアメリカの新自由主義を明確に拒否する国、というわけで、注目度はさらに高まります。
福留先生には今後も断続的に石油資源の大量消費と高騰、地球温暖化、食糧供給条件の不安定化など「エネルギー資源の諸相」を執筆いただけることになっています。
●中越沖地震と柏崎刈羽原発、現地からの発信を武本和幸氏にお願いしました。ご自身、自宅が被災しながら、原発の調査、電力会社に対する追及、各方面への送信の活動と大変な多忙のなかを本誌にもご協力いただきました。住宅の再建より原発が不安という被災地住民の不信感のなか、情報を小出しにし、管理しながら運転再開を図る電力会社、国の構図が鮮明に浮きぼりにされます。
中越沖地震、伊藤長崎市長の狙撃・死亡、久間発言、米議会の従軍慰安婦決議と続くと、今年の原水禁大会はどうなったかと思い、鈴木智氏にお願いしました。
西村和雄氏の「有機農法新世紀」は今回で一応終わり。有機JAS法のどこが問題なのか、それを超える運動の糸口はどこのあるのかが示され、これからも機ある(有機)たびに執筆いただけること、ご期待下さい。
●公務員叩きと人減らしが当然のこととしてまかり通るなか、「定員削減」攻撃と柔軟に正面か
ら向きあう全農林の全国大会に対する感想が寄せられました。新しい公共の構築など全農林だけにとどまらない重要な課題があります。
今号も原稿があふれ、掲載予定の笠原一之氏の「ダカールラリー・イスラム文化にふれる旅」(最終回)を次号に送り、山中さんの「ありのままに伝える私の戦争体験」も予定の一部しか入れられませんでした。すみません。(松本)
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