【編集後記】
●先月号の編集後記で紹介したウクライナ戦争「今こそ停戦を」の呼びかけを今月号に紹介し、〈主張〉でも取り上げました。この呼びかけには批判がありますが、すでに1年を超した戦争で、これ以上の犠牲を止めるための停戦提案へ賛同の広がりが期待されます。統一自治体選の取り組みについては次号でレポートします。
●今月冒頭は〈チーム鎌倉〉の皆川学さんでNHK・OB。台湾有事を煽るメディア。ウクライナ報道を含め日本のメディアの変質が良く分かり、歴史的検証も見事です。
木庭健一さんから、今年の春季生活闘争の総括視点。「大企業の満額回答が誰の犠牲・搾取の上に成立しているのか」と、中小労働者に視点が当てられています。力強く連帯を!
〈国際政治の視点〉の河辺一郎先生。最近よく聞く〈同志国〉をテーマに、ミャンマーに対する日本の姿勢が、中国、ロシアと似ていると指摘。中国、ロシア、日本って同志国?
●現場レポートを3本。まずは新潟水俣病について高野秀男さん。今年は、熊本地裁がチッソの責任を認めた第1次訴訟判決と新潟水俣病の「補償協定」締結から50年ですが、高野さんは「この半世紀、熊本・新潟の両水俣病は終わっていない」とし、国・環境省側の悪辣さを糾弾しています。
新潟から今一つ、柏崎刈羽原発と地震地盤問題について武本和幸さんです。岸田政権のGX政策で焦点となっている柏崎刈羽原発再稼働。そのストップへ、地震地盤問題の重要性が指摘されています。
実効性ある「差別禁止法」を求める鈴木智さんは、統一自治体選でのヘイトなどを告発し、実相を鋭く追及。「ヘイトスピーチとの闘い」7回目です。
●泉野時彦さんの「ビヨンド2025」は前号につづくもので、政策論に至りました。神村隆志さんからは、金達寿『日本の中の朝鮮文化』の書評。新しい発見に出合えます。高根英博さんの〈マンガ・玉砕〉はなかなかの迫力で、プーチン・ゼレンスキー大統領の背後にいるバイデンが不気味です。藤岡寛己先生の〈評論〉はいよいよグラムシの登場。グラムシ・フアンの皆さま、お待たせしました。(山内正紀)
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